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交通事故の後遺障害と医師意見書——異議申立て・訴訟で画像鑑定を活かす
後遺障害等級の認定結果が被害者の実感と乖離している、非該当とされたが症状は明らかに残っている——交通事故実務で頻繁に出会う場面です。本コラムでは、等級認定の仕組みを踏まえ、医師意見書・画像鑑定がどの局面でどう役立つのかを整理します。
後遺障害等級認定の仕組みと「書面審査」の性質
自賠責保険における後遺障害等級は、損害保険料率算出機構の調査事務所による審査を経て認定されます。この審査は原則として書面審査であり、判断材料は後遺障害診断書、診療記録、画像などの提出資料に限られます。
つまり、被害者がどれほど症状を訴えていても、提出された医学的資料のうえで症状が裏付けられていなければ、認定には結びつきません。逆に言えば、異議申立てや訴訟で結果を動かすには、「新しい医学的資料」を加えることが実務上の定石となります。
異議申立てで医師意見書が検討される典型場面
- 画像所見の見落とし・評価不足が疑われる——初回認定時に参照されなかった画像上の異常所見を、専門医が読影レポートとして明示する
- 画像と症状の整合性の説明が不足している——神経症状と画像所見の対応関係(例:椎間板の突出部位と神経支配領域の一致)を医学的に説明する
- 後遺障害診断書の記載が不十分——検査値・可動域などの記載漏れを補う医学的評価を加える
- 因果関係を争われている——既往症・経年性変化との切り分けについて医学的見解を示す
画像再評価(画像鑑定)が有効なケース・難しいケース
有効性が期待できるケースの例
- 撮影はされているが、読影レポートで言及されていない部位・所見がある
- 症状に対応する画像検査がそもそも行われておらず、追加検査の助言を得たい
- 複数時点の画像を比較することで、外傷性変化と経年性変化の議論が可能な場合
難しいケースの例
- 画像上の他覚的所見が乏しく、自覚症状のみが根拠となる場合
- 受傷から相当期間が経過し、事故との時間的関連を画像から論じにくい場合
- 既往症の影響が大きく、事故起因性の切り分けが医学的に困難な場合
重要なのは、「難しい事案は難しい」と早い段階で見極めることです。医学的に成立しない主張に費用と時間を投じることは、依頼者の利益になりません。MediCourtが全案件で事前スクリーニング(鑑定可否の判断)を必須としているのは、このためです。
依頼時に用意すべき資料
| 資料 | ポイント |
|---|---|
| 画像データ(DICOM) | 病院からCD-R等で入手した元データ。紙焼きやレポートのみでは再評価の精度が下がります |
| 後遺障害診断書 | 記載内容と画像・記録の整合を確認するため |
| 認定票・異議申立て資料 | 初回認定の判断理由がわかるもの |
| 診療録・検査結果 | 受傷直後の所見は特に重要 |
| 事故状況資料 | 受傷機転の説明(事故態様と傷病の整合性)に使用 |
まとめ
後遺障害の異議申立て・訴訟は「新しい医学的資料をどう加えるか」の勝負です。まず画像と記録を専門医の目で再評価し、医学的に主張できる点・できない点を切り分けることが出発点になります。MediCourtでは簡易画像鑑定(5万円/部位・7営業日)から段階的にご利用いただけます。
※本コラムは一般的な情報提供を目的とするものであり、個別事案に対する法的助言・医学的判断ではありません。等級認定の結果を保証するものでもありません。